コラム

税務担当者の育成の苦悩

会計・経理・税務

税務担当者の仕事

今年もあとわずかとなりました。

年明けは、多くの会社で、税に関する申告書等の作成・提出が目白押しになります。12月決算の会社は法人税等の申告の準備が始まりますし、法定調書の作成や償却資産税の申告、会社よっては年末調整をしなければならないケースもあるでしょう。

これらの恒例行事?を捌くのはその会社の税務担当者です。

会社ではこれらの業務をこなすことのできる税務担当者を育成しておかなければなりません。しかし、そのような税務担当者を社内で育成するには、大変な労力が必要ではないでしょうか。

社内で育成するのが困難な理由① 多くの税目

税務担当者を育成することが困難なのは、税務に固有な理由があると思います。

その1点目は、会社に関係する税金にはたくさんの税目があることです。

まずおなじみなのは、法人税、事業税、住民税です。事業年度が終了して2月(延長している場合は3月)以内に必ず申告をしなければなりません。

次に消費税です。現在は課税売上げが1,000万円を超える事業者には申告義務が生じます。

その次には償却資産税がポピュラーでしょうか。一定以上の固定資産を所有している場合には申告が必要となります。また、いわゆる政令指定都市に一定規模の事務所や事業所を有している場合には、事業所税がかかります。その他、登録免許税や印紙税など、会社に関わる税金は多種多様です。

これらの申告書を提出し又手続きを行うためには税務担当者は多くの税目の知識を持ち合わせている必要があります。しかし、これらの税の知識を習得するためにはかなりの年月の修練と経験が必要になります。

社内で育成することが困難な理由② 時期の集中

固有な原因の2点目は、税務は時期的な要素が強く、1年中忙しいわけではないことです。

法人税や事業税などの業務は決算期に集中します。また、償却資産税や法定調書は提出期限が1月末に集中しています。その他の税目は出てきたときに「随時」処理する必要が生じます。

このように税務業務は常にあるわけではありません。

社内で税務担当者を育成することができたとしても、その担当者を税務のみに従事させておくことは困難です。

経理業務や月次決算業務、管理会計、コーポレートファイナンスなどの業務も併せて税務担当者が行っているケースが多いのではないかと思います。

税務担当者は、税の知識だけでも大変なのに、その他の知識も習得しなければならなくなります。

税務業務の属人化

いずれのケースでも税務担当者には膨大な知識や経験が必要とされます。

ですから、このような税の知識と経験を持つことのできる社員を多く育成することは簡単なことではありません。

そのため、税務業務を行うことができる社員は限定されてしまい、どうしても業務が属人的になってしまいます。

その社員が元気に働いてくれているうちはいいのですが、病気になってしまった場合や退職してしまった場合に、その税務業務を引き継いでくれる社員を見つけるのは容易ではありません。

したがって、それだけの知識や経験をもつ税務担当者を社内で育成しておくことは会社にとって大きな課題になっているのではないでしょうか。

次回予告

次回は税務業務の属人化を防ぐ方法をお伝えいたします。

鈴木 康功

鈴木 康功Yasunori Suzuki

ACCTソリューション事業部 マネージャー 税理士 税理士法人EOS社員 2003年税理士試験合格。2005年税理士登録。会計事務所を経て、2009年EPCSに入社。

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