コラム

税務リスクは突然やってくる!専門家への「税務相談」で会社と個人資産を守る方法

会計・経理・税務

「税金のことなんて、自分には関係ない」「これまで特に問題なかったから大丈夫」などと油断していませんか?しかし、税務リスクは、ある日突然、あなたの会社や個人資産を脅かすかもしれません。

本記事では、そんな見過ごされがちな税務リスクの実態と、その対策として非常に有効な税務相談について詳しく解説します。

税務相談とは

税務相談とは、文字通り、税金に関するあらゆる相談のことを指します。具体的には、所得税や法人税、消費税など、さまざまな税金の計算方法、申告手続き、節税対策、税務調査への対応など、税に関する専門的なアドバイスやサポートを受けることです。

税理士法により、具体的な税務相談に応じることができるのは、税理士および税理士法人のみと定められています。これは「独占業務」と呼ばれ、税理士資格を持たない者が具体的な税務相談を行うことは法律で禁じられています。

税務相談は、単に税金の計算を依頼するだけでなく、税務処理を通じた間接的な経営支援や将来の事業計画にも関わる重要な行為です。

あなたにも忍び寄る「税務リスク」とは?

企業経営者や個人事業主にとっては、決して無視できない「税務リスク」について以下の2つの視点で解説します。

<税務リスク>

  • 税務リスクの定義
  • 法人・個人事業主に多い税務リスク例

税務リスクの定義

税務リスクとは、税金に関する法令や規制を遵守していない可能性、あるいは税務処理の誤りによって生じる以下の危険性のことを指します。

  • 追徴課税や加算税といったペナルティが課せられる
  • 税務調査の対象となる

税法は非常に複雑で、毎年のように改正が行われるため、知らず知らずのうちにリスクを抱えてしまうケースも少なくありません。

「知らなかった」「うっかりミスをしてしまった」という場合でも、税務当局から指摘を受ければ、追加の納税や罰金が発生する可能性があるため注意が必要です。

法人・個人事業主に多い税務リスク例

法人や個人事業主が直面しやすい税務リスクは多岐にわたります。

例えば、意図していなくても売上の計上が漏れたり、計上時期が税法の規定と異なったりすると、税務調査で指摘を受ける可能性があります。また、事業に関係のない支出を経費として計上したり、交際費や修繕費といった判断が難しい費用の処理を誤るケースも見受けられます。

消費税の処理も複雑で、課税対象の判断ミスや仕入税額控除の適用誤りなどが起こりやすく、特にインボイス制度導入後は一層の注意が必要です。さらに、従業員への給与や外部への報酬支払い時の源泉徴収漏れや税額の誤り、法人の場合に役員報酬の設定や支給方法が不適切で経費として認められないリスクも存在します。

日々の取引を記録する帳簿の不備や会計処理の誤りは、税務調査で最初に確認される点であり、頻繁に改正される税法への対応が遅れると、知らずに法令違反を犯しかねません。

これらのリスクは日常の経理業務の中に潜んでおり、税務リスクを正しく理解し、早期に対策を講じることが安定した事業運営の鍵となります。

税務相談が税務リスク対策となる理由

税務リスク対策に税務相談が有効である3つの理由を解説します。

<リスク対策となる理由>

  • 「税法・通達」に関する深い知識と経験
  • 客観的な視点による「チェック機能」と「早期の問題発見」
  • 税務調査時のサポート

「税法・通達」に関する深い知識と経験

複雑な税法や通達(税務当局が出す細かな取り扱いルール)について、深い知識と豊富な実務経験を有しているのが税理士です。毎年行われる税制改正にも精通しており、常に最新の情報を把握しています。

税理士に相談することで、自社の状況に合わせた最適な税務処理のアドバイスが受けられ、意図しない法令違反や解釈の誤りも予防可能です。追徴課税や加算税といったリスクを大幅に軽減できるでしょう。

客観的な視点による「チェック機能」と「早期の問題発見」

自社内で経理処理を行っている場合、どうしても主観的な判断が入り込んだり、見慣れた処理に対して疑問を持たなくなったりすることがあります。税理士は、第三者の客観的な視点から企業の会計処理や税務申告の内容をチェック可能です。

客観的なチェック機能により、社内では気づきにくい潜在的な税務リスクや、処理の誤り、改善点などを早期に発見することができます。問題が小さいうちに対処できるため、将来的に大きなトラブルへ発展することを防ぎ、修正にかかる手間やコストも最小限に抑えられます。

税務調査時のサポート

万が一、税務調査の対象となった場合でも、税理士は心強い味方です。税理士は、税務調査の事前準備から当日の立ち会い、調査後の税務署との折衝まで、一貫してサポートしてくれます。

税務調査では、調査官からの質問に対して的確に回答し、企業の正当性を主張しなければなりません。税理士は、豊富な経験と専門知識に基づいて、調査官の指摘に対して適法性の説明と資料提示を行ったりすることができます。

効果的な税務相談とは?

税務相談を効果的なものとするために必要なポイントを4つ紹介します。

<効果的な税務相談とは?>

  • 自社の状況・課題・相談目的を明確にする
  • 目的に合った専門家(税理士)を探す・選ぶ
  • 相談時に準備すべきこと・伝えるべきこと
  • 単発相談か、顧問契約か?関係性の構築

自社の状況・課題・相談目的を明確にする

効果的な税務相談のためには、まず自社の現状、課題、相談目的を明確にしましょう。例えば「節税のアドバイスが欲しい」「会計処理が正しいか見てほしい」など目的を具体化することで、税理士も的確な助言をしやすくなります。売上規模、利益状況、事業内容などを整理し、課題点をリストアップしておくとスムーズです。

目的に合った専門家(税理士)を探す・選ぶ

税理士には得意分野や業種があります。飲食業に強い、IT業界に詳しい、資金調達支援が得意などさまざまです。自社の業種や相談内容に合わせ、その分野に強みを持つ税理士を選びましょう。事務所のウェブサイトで実績を確認したり、複数の税理士と面談して比較検討するのがおすすめです。料金体系やコミュニケーションの取りやすさ(相性)も選ぶ上で大切なポイントです。

相談時に準備すべきこと・伝えるべきこと

税理士に相談する際は、過去の確定申告書や決算書、総勘定元帳などの書類を事前に準備してください。事業概要、今後の事業計画、経理処理の状況、過去の税務調査経験の有無などを正確に伝えることも重要です。これらの情報により、税理士は実態に即した的確なアドバイスを行えます。どのような書類が必要かは事前に税理士に確認しましょう。

単発相談か、顧問契約か?関係性の構築

税理士との関わり方には、一度だけの「単発相談」と継続的な「顧問契約」があります。緊急性の高い問題解決や特定の意見聴取には単発相談が、日々の経理チェックや節税対策など長期的なサポートには顧問契約が適しています。顧問契約は企業理解を深め、より踏み込んだ提案が期待できます。企業の状況やニーズに応じ、税理士と話し合い最適な関係性を築くことが大切です。

まとめ

税務リスクはあらゆる企業や個人事業主にとって避けられない問題です。税務の専門家である税理士に相談して、リスクを軽減しましょう。税務相談は単なる税金計算の代行に留まらず、経営課題の解決や成長戦略に関するアドバイスを得る機会でもあります。

税務相談できる相手が見つからない場合は、EPコンサルティングサービス(EPCS)の経理・会計・税務アウトソーシングをご活用ください。貴社に最適な税務相談を、税理士法人EOSが対応いたします。

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