コラム
勤怠管理とは?勤怠管理が必要な理由や4つの方法を解説します

企業を運営する際に重要なのが、勤怠管理です。勤怠管理とは、従業員の出勤・退勤時間などを管理することであり、ほとんどの企業に必要な業務です。しかし、「労働関係の法律に沿った勤怠管理が難しい」「勤怠管理業務が他の業務を圧迫している」などと悩んでいる経営者も多いでしょう。
そこで本記事では勤怠管理とは何か、勤怠管理が必要な理由や管理対象、勤怠管理の方法について解説します。
勤怠管理とは
勤怠管理とは、「労働時間」と「休憩時間」を管理することです。従業員がどれだけ休んだか、どれだけ働いたかの情報は、給与計算や社会保険料、税金の計算など経理上のことだけでなく、人事評価や従業員の健康管理、働き方の改善などにも役立ちます。
労働時間の定義
労働時間とは、「雇用主の指揮命令下で労働者が会社のために働く時間」のことです。労働時間は、上限時間が定められているため、雇用者は法定労働時間と所定労働時間について知っておく必要があります。
法定労働時間とは、労働基準法で定められている労働時間の上限です。具体的には「1週40時間、1日8時間」とされています。この時間を超える場合には、「36協定」を締結して、労働基準監督署に届出る必要があります。また法定労働時間を超える残業が発生した場合は、法定外残業時間となり、従業員に対して割増賃金を支払わなければなりません。
所定労働時間とは、法定労働時間内で企業が独自に決める労働時間です。具体的には、始業時刻から終業時刻までの時間から休憩時間を引いた時間になります。
休憩時間の定義
休憩時間については、労働基準法第34条で以下のとおり基準が定められています。
<労働基準法第34条における休憩時間の定義>
- 労働時間が6~8時間以内の場合は、45分以上の休憩が必要
- 労働時間が8時間を超える場合は、1時間以上の休憩が必要
これらの基準に従って、休憩時間を正しく設定しましょう。
勤怠管理が必要な理由
労働基準法や厚生労働省のガイドラインでは、企業は従業員の勤怠管理をする必要があると定められていますので、法的な理由から勤怠管理を行うことが求められています。また従業員が働きやすい職場環境を整えるためにも、勤怠管理を正しく行うことが重要と言えます。
勤怠管理の対象

具体的に勤怠管理の対象になるのは、誰なのでしょうか?勤怠管理の対象になる職種と従業員についてご説明します。
勤怠管理の対象になる職種
厚生労働省のガイドラインによると、労働基準法の労働時間の規定が適用される事業所は勤怠管理を行う必要があると定められています。ほとんどの事業所では労働時間の規定が適用されますので、勤怠管理を行う必要があります。
しかし、天候などに左右される農業や水産業などは労働時間の規定が適用されませんので、勤怠管理の対象外です。
勤怠管理の対象になる従業員
勤怠管理の対象になるのは、「労働基準法第41条に定める者」と「みなし労働時間制が適用される労働者」を除くすべての労働者です。それぞれわかりやすく解説します。
「労働基準法第41条に定める者」とは、労働条件を決める権限を持つ労務管理の責任者を指します。たとえば部長や工場長、所長などの管理監督者が該当します。ただし、2019年より労働安全衛生法に「事業者は、労働者の労働時間の状況を把握しなければならない」という条文が追加されたため、管理責任者の労働時間も把握する必要があります。
また「みなし労働時間制が適用される労働者」とは、事業所以外で業務をするため責任者が労働時間を管理しにくいことから、所定の労働時間働いたとみなされる従業員です。たとえば、外回りの営業マンや取材を行う記者などが該当します。
勤怠管理の4つの方法とメリット・デメリット

勤怠管理を行うための方法は主に4つありますが、それぞれメリットやデメリットがあります。それぞれの方法について詳しくご紹介します。
タイムカード
タイムカードとは、紙媒体の記録カードを出勤時と退勤時に専用機器に差し込んで打刻することで、出勤時間と退勤時間を記録する方法です。月末などにタイムカードを集計して、従業員の出勤時間、退勤時間から勤務時間や休暇、遅刻などの記録をつけます。
<メリット>
- 手軽に出勤時間と退勤時間を管理できる
- 勤怠管理システムなどの導入が不要
<デメリット>
- 第三者がタイムカードを打刻できるので、なりすましによる不正打刻ができる
- タイムカードを押すまでのタイムロスが発生する
- 集計作業の手間がかかる
ICカード

従業員にICカードを配り、出勤時と退勤時にカードリーダーにかざすことで出勤時間と退勤時間を記録する方法です。ICカードやカードリーダーなどを購入する費用がかかりますが、電子的に勤怠データを管理できるので勤怠管理を効率化できます。
<メリット>
- 手軽に出勤時間と退勤時間を管理できる
- 電子データで勤怠データを管理できるので、管理を正確にできて管理効率も上がる
- ICカードで従業員を特定できるので、なりすましによる不正ができない
<デメリット>
- ICカードとカードリーダー購入のための初期費用がかかる
- Cカードを紛失した場合の対応が必要
エクセル
従業員が自己申告で出勤時間と退勤時間を申告し、エクセルのファイルに記入する方法です。管理者が後で集計する必要がなく管理しやすいですが、ファイルが破損した場合に備えてバックアップを取っておく必要があります。また自己申告なので、不正が発生する可能性も考えられます。
<メリット>
- 電子データで勤怠データを管理できるので、管理を正確にできて管理効率が上がる
- 従業員が管理簿に記入するので管理しやすい
<デメリット>
- 自己申告なので不正が発生する可能性がある
- ファイルが破損した場合に備えてバックアップを取っておく必要がある
- 複数の従業員が一つのファイルに記入するのでデータを誤って書き換えてしまう可能性がある
- 記入漏れが発生する可能性がある
紙の出勤簿
自己申告で、紙の出勤簿に出勤時間と退勤時間を記入する方法です。そのため、月末などに管理者が勤怠記録を集計して記録する必要があります。紙媒体で管理する方法なので、記入漏れや記入ミス、管理簿の紛失などが発生する可能性もあり、なりすましによる不正も起こり得ます。
<メリット>
- 手軽に出勤時間と退勤時間を管理できる
<デメリット>
- 出勤簿が紙媒体なので管理に手間がかかる
- 記入漏れや記入ミス、管理簿の紛失などが発生する可能性がある
- なりすましによる不正が起こる可能性がある
まとめ
本記事では勤怠管理とは何か、勤怠管理が必要な理由や管理対象、勤怠管理の方法について解説しました。ほとんどの事業者が従業員の勤怠管理をする必要があることがわかっていただけたと思います。しかし、自社ではどの勤怠管理の方法が合っているかどうかわかりづらいと感じた経営者も多いでしょう。
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